栃窪淳平、松田直之、太田好美、東智子、高谷雄大、稲葉正人、安達祐史、椎谷紀彦
背景:全身性炎症反応症候群(SIRS)を伴う播種性血管内凝固症候群(DIC)は、重篤な患者における重篤な疾患であり、血管内皮障害の進行と密接に関連している。臓器機能障害の進行を防ぐためには早期診断が必要である。循環内皮細胞(CEC)は血管内皮障害で増加し、DIC診断に重要な役割を果たす可能性がある。しかし、CECの検出方法は標準化されていない。本研究は、集中治療室でのCEC検出方法を確立することを目的とした。腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)によって培養皿から剥離したヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)をCECの対照細胞として使用した。
方法:培養HUVECをTNF-α(100 ng/mL)を含む培地でインキュベートし、24時間後に培養皿から剥離した細胞をTNF-HUVECとして使用した。フローサイトメトリー(FC)を用いて正常HUVEC、TNF-HUVEC、および血液細胞の細胞表面分子を分析し、CECを検出するための適切なマーカーを探した。正常HUVECとTNF-HUVECを血液に加え、FCと免疫ビーズ法(IB)を使用して検出し、2つの方法を比較した。FCを使用して、健康なボランティアと集中治療室(ICU)患者のCECを測定した。
結果: CD146とCD105はHUVECで高度に発現しており、全血細胞からのUVECの分離に優れていた。正常HUVECの平均検出率は、FCで75%、IBで82%であった。しかし、TNF-HUVECの平均検出率は、FCで64%、IBで27%であった(p < 0.05)。20人の健康なボランティアと16人のICU患者の平均CEC数は、それぞれ2.8細胞/mLと4.3細胞/mLであった。 SIRS 誘発性 DIC を患う 1 人の ICU 患者では、CEC が 49 個/mL 増加しました。
結論: CD146 と CD105 は、血液から内皮細胞を検出するのに適しています。重度の炎症状態における内皮細胞の検出には、IB よりも FC の方が優れています。