西村 俊康
シリコンポリマーを使用することで、アルミニウムナノ粒子の化学反応が制御され、特に腐食反応が減少しました。アルミニウムナノ粒子上のシリコンポリマー膜の被覆率が制御され、化学反応速度が定量的に変化しました。TEM(透過型電子顕微鏡)分析では、合成時に5質量%のポリマー被覆Al粒子を使用した場合、厚さ10 nmのポリマー膜がAlナノ粒子を完全に覆うことが示されました。一方、0.4~1.0質量%のポリマー被覆Alは膜で部分的に覆われていました。AFM-KFM(原子間力顕微鏡-ケルビン力顕微鏡)では、Alナノ粒子の導電性がポリマーによって分離されていることが実証されました。腐食反応速度とH2発生反応速度は、どちらもAl粒子表面のポリマー被覆率によって定量的に減少しました。この事実は、電気化学反応がポリマー被覆によって抑制されたことを示唆しています。アルミニウムナノ粒子の化学反応速度は、シリコン被覆の被覆率によって定量的に制御できることが分かりました。