アノンナド・ガムジャリヤワット、スヴィトラーナ・ヴァシロフスカ、キリル・トルパエフ、フィリップ・ラヴァサード、ニルス・ウェルシュ、エレナ・コズロワ、リカルド・G・フレッド
我々は最近、マウスおよびラットのβ細胞とマウス境界帽神経堤幹細胞(bNCSC)の共培養が、おそらく直接的なカドヘリン媒介細胞間接合を介して、炎症性サイトカイン誘発性β細胞死から保護されることを観察した。しかし、この戦略によってヒトβ細胞も保護できるかどうかは検討されていない。可能であれば、1型糖尿病患者への膵島移植の結果を改善するための新しいプロトコルの開発にとって重要なアプローチとなるだろう。したがって、本調査の目的は、bNCSCとインスリン産生ヒトEndoC-βH1細胞の共培養がサイトカイン誘発性細胞死に及ぼす影響を調べることであった。この目的のために、GFP陽性bNCSCを、サイトカインIL-1γ(50 U/ml)およびIFN-γ(1000 U/ml)の存在下でGFP陰性ヒトEndoC-βH1細胞とともに培養した。次に細胞をヨウ化プロピジウムで染色し、フローサイトメトリー分析のためにトリプシン処理した。GFP陽性およびGFP陰性細胞におけるヨウ化プロピジウム蛍光の分析により、EndoC-βH1細胞はbNCSCと共培養した場合の方がbNCSCなしで培養した場合よりも死滅する程度が低いことが明らかになった。また、EndoC-βH1細胞はbNCSCとN-カドヘリン結合を形成したが、E-カドヘリン結合は形成しなかったことが観察された。bNCSC細胞集団には、神経分化を示すβ-チューブリン発現細胞が大部分含まれていた。N-カドヘリン結合の保護機能は、中和N-カドヘリン抗体が共培養の効果を打ち消すという発見によって検証された。我々は、ヒトインスリン産生細胞とbNCSCの相互作用が、in vitroでのインスリン産生細胞の炎症性サイトカインに対する感受性を低下させると結論付けている。