丹羽敏雄、横山真一郎、川田優衣香、鈴木亨、大沢俊彦
我々は以前、O-デスメチルアンゴレンシン(O-DMA)産生細菌、Clostridium rRNA cluster XIVa SY8519株を単離した。SY8519株による大豆イソフラボノイドの代謝を研究し、細菌が「分解」によってイソフラボノイドの活性を減弱させることを発見した。本研究では、イソフラボンのO-メチル誘導体であるフォルモノネチンとビオカニンAを細菌に与えた。フォルモノネチンとビオカニンAは、それぞれ元のイソフラボンの生成物であるO-DMAと2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸に代謝された。培養培地の経時変化分析により、フォルモノネチンからO-DMAが生成される際の中間体としてダイゼインを検出できた。したがって、SY8519株はイソフラボンのO-メチルエーテルを切断できる。次に、SY8519株による没食子酸メチルエステルのO-メチル誘導体の脱メチル化を調べた。代謝物はほぼ3-O-メチル没食子酸メチルエステルであり、没食子酸エステルではなかった。これらの結果は、SY8519株が脱メチル酵素によって特定のフェノール化合物のO-メチルエーテルも切断することを示唆している。また、没食子酸メチルエステルのO-メチル誘導体の活性を比較した。メチルエーテルの数が減少するにつれて、チロシナーゼ阻害および抗酸化アッセイにおける活性が増加した。したがって、異なる微生物叢を持つヒトと比較して、SY8519株を持つヒトまたは腸内で同様の微生物活性を持つヒトは、植物化学物質を摂取した後に異なる影響を経験するであろう。