梅津美樹、福本健太郎、桜井茂、酒井章夫
認知症の概日リズム睡眠障害は夜間徘徊、せん妄、さらには夕暮れ症候群を引き起こしやすく、患者本人や介護者に大きな負担をかけています。認知症の代表であるアルツハイマー病では概日リズム睡眠障害の合併率がかなり高く、アルツハイマー病における概日リズム睡眠障害は内分泌リズムの生理的変化、身体障害、環境因子などにより引き起こされると考えられています。さらに近年、その高い併存率に加え、概日リズム睡眠障害とアルツハイマー病の間に本質的な関連がある可能性が報告されています。本研究では、アルツハイマー病の概日リズム睡眠障害における神経病理学的および神経内分泌的変化の役割についてまとめました。