税所 芳文
2型糖尿病(T2DM)の治療法は近年進歩しているにもかかわらず、世界中でT2DMの有病率は増加し続けている[1]。健康的なライフスタイルは、T2DMの治療と予防の両方において重要な要素である。健康的なライフスタイルは、自己管理能力なしには確立できない。T2DMの病態をより深く理解することで、自己管理能力が向上する。T2DMは、インスリン抵抗性とβ細胞機能不全を特徴とし、その結果、インスリンの作用が不十分になり、慢性的な高血糖につながる。しかし、肥満はT2DMの主要な危険因子であり、T2DM患者では高インスリン血症も見られるため、インスリン抵抗性がT2DMの特徴として強調されることが多い。対照的に、インスリン抵抗性は高インスリン血症を伴うと考えられるため、これらの対象者におけるβ細胞機能不全はしばしば無視される。