デロワール・ホセインとウィリアム・Y・ツァン
中心体は、ほとんどの真核生物系に見られる小さな細胞小器官です。中心体は、微小管を固定、組織化、核化する能力があるため、紡錘体の双極性を確立し、細胞分裂の忠実性を確保する上で重要な役割を果たします。中心体の構造と機能の欠陥は、有糸分裂の破局、細胞周期の停止、細胞死、ゲノム不安定性、異数性などの原因となることが多く、原発性小頭症、癌、繊毛症などのヒトの疾患につながります。興味深いことに、ゲノム不安定性と異数性は老化と細胞老化の特徴でもありますが、中心体の機能不全と老化の関係についての理解は未だに初歩的です。このレビューでは、これら 2 つの現象が実際に関連していることを示唆する既存の証拠と、中心体異常が永久的な細胞周期停止と老化を引き起こすのに必要かつ十分な細胞ストレスの一形態であるという新たな見解に焦点を当てます。中心体異常の結果としての細胞老化の根底にある分子メカニズムと p53 の関与について説明します。