歯科

概要

歯科医師によるメトロニダゾール処方後の心不全の症例報告

アル・ルマイヒ・ファイサル、アル・マトラフィ・バドリア*、アル・サリーム・アフナン、アル・ハマド・サウド、アル・サイフ・スルタン

メトロニダゾールは、嫌気性細菌および原生動物に対して特異的な活性を有するニトロイミダゾール系抗生物質である。心臓病学では、QT間隔は心室の電気的脱分極および再分極を表す。QT間隔の延長は、心室性頻脈の可能性のマーカーである。メトロニダゾール抗生物質が使用された場合にQT延長がみられる稀な症例が報告されている。メトロニダゾールの不整脈誘発特性はまだ明らかではない。本症例は、慢性疾患や薬物アレルギーの履歴のない体重30kgの10歳男児が、顔面の腫れを主訴として歯科医院を受診し、歯の膿瘍と診断されたことを報告している。彼は経口メトロニダゾール（500mgを1日3回、5日間）を投与された。

3日目に、患者は動悸、嘔吐を呈して救急外来を受診し、その後倒れた。心肺蘇生（CPR）を実施し、心電図（ECG）ではQT補正間隔の延長（QTc 480ms）が示された。血清カリウム、マグネシウム、肝機能検査を含む臨床検査は正常範囲内であった。メトロニダゾールは直ちに中止され、その後ECGは正常を維持した。結論として、メトロニダゾールはQT延長を増強する可能性がある。QT間隔とそれに続く致死的不整脈に対する潜在的影響を評価するために、さらなる調査を行う必要がある。小児の最大投与量を見直す必要がある。