臨床研究と生命倫理ジャーナル

概要

いわゆる「終末期」高齢者医療に関する生命倫理的個人的見解：医師の二重の役割の一環としての包括的合意形成プロセスの提案

目黒健一

いわゆる「終末期」の高齢者医療は、医療従事者と社会の双方にとって大きな関心事である。本稿では、個々の症例報告をもとに、3つの学会や私の研究チームでの議論を紹介するとともに、生命倫理に関する私の個人的見解を述べる。寿命は「天」が決めること、家族の意向を鵜呑みにしてはならないこと、医師の二重の役割の一環として包括的な合意形成プロセスが必要であること、生命至上主義や個人を超えた価値とは別に、医療の生命と尊厳の原則が必要であること。