大場正剛*、吉村仁、松浦多喜子、朝比奈泉、佐野一夫
骨格性クラス II 症例の治療は、後戻りの傾向があるため、長い間大きな課題となってきました。これは、下顎の前方移動と反時計回りの回転により、前部開咬およびガミースマイルを伴う骨格性クラス II 患者に特に当てはまります。この下顎の動きは、後戻りおよび顎関節症を引き起こすことがあります。これらの合併症を回避するために、我々は顎変形症患者の下顎骨切り術に対する新しい治療戦略、「生理学的位置決め戦略」を提唱してきました。この戦略を使用した場合、術後にほとんど不利益は見られず、両顎骨切り術または下顎骨切り術のみを受けた骨格性クラス III 患者では良好な結果が見られました。前部開咬およびガミースマイルを伴う骨格性クラス II 患者 2 名をこの方法で治療しました。両方の症例で長期結果は良好でした。近位セグメントは術後に前方に移動しました。この新しい治療戦略は、クラス III の症例だけでなく、前歯開咬とガミースマイルが同時に存在する場合でも、クラス II の症例に対して信頼できる結果をもたらす可能性があります。