ヴァヒデ・ナスル
CADASIL（常染色体優性脳動脈症、皮質下梗塞および白質脳症）は、Notch-3遺伝子の変異によって引き起こされる中枢神経系機能不全を特徴とする遺伝性の小血管疾患です。臨床症状は、脳の血管症、神経変性、および免疫系反応によって発生します。ここでは、間葉系幹細胞療法を使用したCADASILの効果的な治療方法について説明します。36歳男性のCADASIL症例を報告します。神経画像およびNotch-3の遺伝子分析により診断が確定しました。本症例では、3週間間隔で2回の幹細胞注入が行われました。患者は移植後期間に重大な合併症はありませんでした。MSC注入後の即時または遅延の副作用は観察されませんでした。移植後18か月で悪性腫瘍や不要細胞、感染性合併症は発生せず、脳MRIを実施したところ、脳病変は安定しており、歩行やバランスも改善していました。抗HLA抗体測定により、注入した細胞によって患者の免疫系が刺激されていないことが確認されました。神経症状、運動失調の評価および評価のためのスケール（SARA）、多発性硬化症機能複合尺度（MSFC）、生活の質評価（QOL）、認知機能状態（ACE-R）に関しては、18か月の追跡期間中、患者は以前の臨床状態からさらに悪化していませんでした。結果の一般化を示すには、さらに研究を行う必要があります。