アーロン・レボラールとベレン・ロペス・ガルシア
Magnaporthe oryzae は世界中で農作物の損失を引き起こし、イネにとって最も有害な病原菌の 1 つと考えられています。新しいタイプの抗真菌化合物の探索では、非標的種への毒性を回避するために特異性に重点が置かれています。本研究では、天然抗菌ペプチドCecropin A とその派生ペプチド MgAPI16 の M. oryzae における付着器形成の阻害剤としての活性を特徴付けました。これらのペプチドはイネのいもち病の発症を抑制できました。いくつかの証拠から、両ペプチドの作用機序は異なっていることが示されました。付着器形成の誘導物質の添加は MgAPI16 の阻害効果を妨げましたが、Cecropin A では妨げませんでした。さらに、抗菌活性アッセイでは、細菌および真菌に対する MgAPI16 の毒性が弱いか全くないことが示され、付着器形成の阻害に対する高い特異性を示唆しています。蛍光共焦点顕微鏡により、MgAPI16 が胚芽管と付着器に優先的に結合し、異常な非機能的付着器構造の形成を引き起こすことが観察されました。私たちの結果に基づき、MgAPI16 は、付着器形成を特異的に阻害し、イネいもち病を制御する潜在的な標的指向ペプチドとして提案されており、植物保護への応用が期待される有望な化合物です。